古民家と土地を買う

はじめての不動産購入。わからないことだらけ

  はじめての不動産購入。わからないことだらけ

物件を内見

7月、昭和の文学作品にて「僻村」と称された地にある物件を見に行った。
土地に付随した「古屋」は明治に建築された古民家。
古民家といっても、「古民家」と聞いてイメージするような、庄屋や豪農が住んでいたような立派なものではない。
明治の庶民、おそらく農民が住んでいた、こぢんまりとしたかわいい家だった。
売主さんのご先祖が建て、100年以上売主さんの家系の方が住んできた。
増改築も施されていて、増築部分は伝統工法ではなく木造軸組工法だったり、100年の歴史を感じた。
ただ、「住宅」ではなく「古屋付き土地」として売りに出されるような状況ではあった。
シロアリの害により、梁が一本スポンジ状にグサグサなっていて、間に合わせの2×4材で補強してあった。
増築したであろう奥の部屋は湿気がすごいのか、畳も壁もふにゃふにゃしていた。
それでも、僕たちはこの家が気に入った。
少し補修するぐらいで住めると思った。

なによりも、僕たちが気に入ったのは、お庭。
資料によると、1,200㎡。
大部分は整然とした畑になっていて、周囲には柿や梅の木が植わっていた。
裏は崖の森。
一辺は駐車場か業者の資材置き場のようになっていて、隣接する民家が少ないのもよかった。
ターシャ・テューダーの庭や、くまのプーさんの100エーカーの森に憧れていた妻は、大きな敷地に満足げだった。
長年探し続けた理想の土地が見つかった。
その場で申し込んだ。

住宅ローンと契約

僕はフリーランス。
ローンなどの審査属性は最低。
公務員や大企業の正社員であれば審査も通りやすいけど、自営業者はとても信用が低い。

本当は、数年後から何年かかけて土地と家を探して、その間お金を貯めて、現金で購入しようと相談していた。
家賃やローンのために毎日一日中働くのではなく、のんびり暮らしをするために。
ところが、意外なことになんの準備もする前に理想の場所がみつかってしまった。

通常の建売住宅よりもだいぶ安かったけれど、1,000万円超えのお金なんて持っていないし、ローンを組むしかなかった。
それでも、頭金と諸経費はローンにいれられなかったので(属性が高ければ頭金ゼロ、諸経費もローンでいけるみたいだけど)、
○百万円の現金が必要だった。

大手都市銀行は事実上の審査落ち。
通ったのは自営業者用のローンを用意している地方銀行。
通常の銀行住宅ローンに比べて、金利がとても高い。
頑張って稼いで早期返済をするしかないけれど、今はしょうがない。
信用もなにもない僕に、大金を貸してくれるだけでありがたい。

契約をするときに、はじめて売主さんにお会いした。
とてもいい方で、畑に植えているものの図面や、住宅設備の説明書などを手渡ししていただいた。
売却の理由は、終活とのこと。
先祖代々住んできたけど、自分は高校卒業とともに家を出て、順次家族は都会へ。
兄弟で相続して、畑や奥様のガーデニング場所として毎週通っていたけれど、自分が元気なうちに処分したかったと。
お子様たちはこんな僻地には興味がないとのことで、売却することにして、たまたま僕たちがみつけて、ご縁となった。
この土地は1点難点があり、間口が狭い。
入ってしまえば大きな土地だけど、間口が狭くて、分割して分譲住宅用の土地にすることはできない。
難点ではあっても、もし間口が広かったら、不動産屋が購入して細切れにして売られてしまい、僕たちとご縁はなかったことになる。
たまたま見つけることができた土地。

値下げ交渉はしなかったけど、敷地内にあったボロボロの小屋を壊してくれるかどうかを聞いてみると、二つ返事でOK。
とてもいい売主さんだった。
ちなみに、小屋の基礎になっていたコンクリートは、小さく壊してから裏の崖にある防空壕を塞ぐのに使ったらしい。
防空壕・・
中は大人が10人くらいは入れる大きさがあるらしい。
コンクリートガラでみっちり塞がれているので、今は入ることができないけど、いつか探検してみよう。

不動産屋の担当者を変えてもらう

契約交渉の途中、内見の時に案内してくれた営業さんを変えてもらった。
なんというか、まったくやる気がない。
物件についてもなんの説明もなく、こちらが聞いても最低限のことしか答えない。
条件交渉をしようとすると「2番手さんがいるので無理ですね」と、売主さんに確認もせずに答える。
メールや電話のやりとりも含め、ほかにもいろいろと信用できないことが多かった。
不動産屋に相談し、もし担当者を変えてくれないならこの物件は諦めよう、とまで思っていた。
担当者はなんと支店の店長だったので、本社に電話をして相談した。
すると、ご本人から着信あり。留守電を聞くと「誤解があるようなので説明させていただきたい」とのこと。
すぐに本社に再度電話して「本人と話すことはなにもない。担当者を変えるか、契約を諦めます」といったら、本気度が伝わったらしくすぐに対応してくれた。
本当は、クレーマーみたいなことをしたくなかったけど、一生に一度の買い物を信用できない人からしたくはなかった。
新しい担当者さんは、いかにも営業マンといった感じの明るい方で、こちらの質問等にもすぐに調べて返事をしてくれたり、大満足だった。
売主さんは相変わらず前の担当者が担当されていたようだけど、僕たちがその人とやりとりをしたり直接顔を合わせることはなく、すべて終了した。

測量

住宅ローンを借りられることになって、測量がはじまった。
敷地境界に隣接している方全員に立ち会ってもらって、境界線がどこにあるかの確認をする。
僕たちは待っているだけだけど、古い土地で曖昧だろうし、測量屋さんも大変。
仕上がってきた測量図面や境界写真はとても役にたった。
敷地を隣接しているお隣さんの名前もそれでわかった。
大きな土地が欲しかったけど、大きな土地は管理もたいへん。
例えば、敷地面積1,500㎡で正方形の土地なら、1辺は約39m。4辺で156m。
例えば全周に塀を建てるとなると、安いもので3万円/1mくらいとして、156mで468万円!
仮に全面土間コンクリートにすると、安くて1万円/1㎡として、1,500万円!
測量期間はおよそ2ヶ月弱だった。

火災保険

住宅ローンの契約には、火災保険の加入が必須。
うちの場合は不動産屋さんが保険代理店もしていたので、保険担当の方が説明をしたいというので、1時間くらいご説明いただいた。
その後、ネットで検索していろいろ調べた。
古い家屋は、入れる火災保険がとても少ない。
東京海上や三井住友海上などの大手は加入できるけど、楽天など中堅どころはだめだった。
※楽天保険はちょうど築10年未満しか加入できないようになるタイミングだった。

その中で、ネットのみで加入できる火災保険に加入。
本当に住宅ローンが借りられるかどうかは、決済の日までわからないので、申し込みだけしておく。
金消契約(金銭消費貸借契約、いわゆる住宅ローンの契約)のときには、申込書を持っていった。
古民家と火災保険についは、別途記事を書くつもり。

決済・引き渡し

いよいよ最後の手続き。
銀行の一室に関係者が集まり、お金のやりとりをする。
銀行側が用意した司法書士さんは、こういう場がなれているのか、空気を読み場の空気を和ませてくれた。
すべての手続きが終了すると、いよいよ古民家と土地が僕たちのものになった。
その足で現地に向かい、内見から約4ヶ月ぶり。
まだ、「ただいま」とは思えないけれど、僕たちはこれから数十年ここで暮らすことになる。
と同時に、ローン支払いの始まり。
できるだけ早く早期完済しなければ。
といっても、ひとりで杉並に住んでいたときのボロアパートよりも月の支払額は安い。
土地が広く固定資産税はちょっと高め。

この4ヶ月間、妻とふたりで妄想していた妄想が、今度は妄想ではなく計画になる。
GoogleMapの航空写真をみたり、測量図をみて、ここは雑木林にしよう、ここはキッチンガーデンにしよう、といろいろ妄想していた。
まずは、住めるようにすること、敷地境界を塀で囲むこと、が最優先。
忙しくも楽しい日々がはじまる。

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