古民家と土地を買う

田舎の常識 都会の常識

  田舎の常識 都会の常識

そこそこの都市部で育ち、おとなになってからは都心に住んでいた僕たち夫婦。
かろうじて首都圏内ではあっても、なぜかセピア色のフィルターがかかる地域に土地を買った。
引き渡しをうけてから週に何度か通い始めた。

人の庭を通路にするおばさん

古民家の中を掃除したり、お庭のお手入れや改修計画をたてていると、ちょっと気になることが。。
毎日夕方になると、庭の端っこを誰かがいる。
すーっと通過していく。
最初は気のせいかなーっと思っていたけど、残念ながら現実だった。
おばちゃん。
うちの敷地の一辺にある駐車場から、うちの敷地を通って反対側の道路へ。
我が家は通路になっているらしい。
気のせいではなかった。
ある日、やめてもらおうと思って近づいていくと、向こうから
「あら、ここの人!? ○○さん(前の持ち主)にここ通らせてもらってたのよー」
と悪びれもなく言うので、今後はご遠慮ください、というと
「ここ便利なのよー」
と、つないでくる。
挨拶もなく、今後も通らせてもらえるのかの確認やお願いでもなく。
「ご遠慮ください」と強めに重ねる。
ぶつぶつ言いながら去っていき、道路の向こうのほうで
「あそこもう通っちゃダメなんだってさー」と誰かに話す声が聞こえた。
幸いその後すぐにフェンスを建てたのもあってか、以降通過おばさんが現れることはなかった。

しょんべんおじさんたち

我が家の隣の家は、なんらかのブルーカラー系の事業をされているようで、職人さんたちの集会場か集合場所のようになっている。
あるとき、すごいものを見た。
タチションベン。
我が家の敷地に向かって。
みたのは遠くからだったので、見間違いかと思った。
でも、また別の日にもみてしまった。
あとで恐る恐る現場をみにくと、地面が変色していた。
怖すぎる。
おそらく、職人たちのトイレにされている。
この記事を書くために思い出しただけでも恐ろしい。
トイレにされている場所は決まっていて、なぜか隣家の塀が我が家に向かって開いている場所。
通過おばさんもここを通っていた。
どうしてわざわざ塀を開けているのかわからないが、塀が数メートルだけ開いている。
その開いているところに、杭を建ててみた。
これで理解してくれれば。
もしダメなら、直接言いにいかなければ。
今のところ、これ以降この場所の立小便は見ていない。
ほかの場所ではあったけど。

周囲にフェンスを建てたあと、ある日庭の手入れをしていると、隣の駐車場に車を駐めたおじさんがまっすぐフェンスに向かって歩いてくる。
嫌な予感がして注視していると、股間のあたりをまさぐりはじめる。
明らかに社会の窓を開けようとしている!
疑いの余地なく立小便!
思わず声をかける。
「そこに小便しないで!」
するとくるっと引き返し、チャックを上げる。
「トイレじゃないですよ」
というと、あいよーっと言って去っていく。
謝りも悪びれもしない。

おばばとおじじ

隣家のおばさん。
おうちで作業をしていると、窓からがなり立ててきたのがファーストコンタクト。
「ねえちょっと!お隣さん!」
窓から!?と困惑しながらも、当たり障りなくご挨拶をして、ちょうど用意していたご挨拶の品を渡す。
その後もたびたび窓から話しかけてくる。
僕たちは、隣家の近くによるのが怖くなった。
近くにいなくても、「ねえちょっと!」と大きな声で呼びかけてくる。
応答しないと大きな怒鳴り声がいつまでも続くので、遠くにいても走っていくしかなかった。
僕たちが家に来ているのは、車があるのでわかるらしい。
それどころか、妻が自転車でコンビニに行ったのも「この前自転車で」と知っている。
田舎怖い。

そんなある日、おじじも現れる。
自宅敷地内で作業をしていると、目の前に人の気配。
見知らぬおじーさんが立っていた。
知り合いかのように話しかけてくる。
おばばが話していた旦那さんかなと思い、○○さん?と聞くと、当たり前かのようにうなずき話を続ける。

次にお庭行ったとき、敷地のもっと奥で作業をしていると、また気配が。
前をみるとおじじ。
そのとき着信があったらしく、電話を始める。
無断で敷地に入り、要件も言わず電話をしはじめる。
ちょっと理解ができなかった。
それでも、当たり障りのないように対応する。

敷地内に勝手に人がいるというのに怯えまくった僕たちは、狭い間口の敷地入口に車を駐めて、人が通れないようにすることにした。
そんなある日、おばばの怒鳴り声。
「ねえちょっと!」
車ブロックが功を奏して、敷地内に勝手に入ることはできなかったようだ。
安心していると、今度は裏から「ねえちょっと!キンカン!」。
いつまでも怒鳴り声がやまないので、しょうがなく行ってみる。
すると、お友達なのか3人のおばばがいて、ハサミを片手に「キンカン!」。
以前、うちのキンカンを「立派なキンカンね」と言うので、差し上げますよ、とは言っていた。
でも、いつでもアポなしでいいなんて言っていないし、都会ならありえない。
さすがにもう我慢ができなかった。
「誰とも関わりたくなくて田舎に引っ越してきたので、ご近所づきあいはご遠慮させていただきます。」
のようなことを言ったら、おばば鬼の形相。
でもそれ以来怒鳴り声が聞こえてくることもなく、敷地内に他人がいることもなく、平和が訪れた。

フェンスを建てる

家と土地の引き渡し当初は、引っ越すことを最優先に考えていた。
でも、最優先事項が変更になった。
敷地境界にフェンスを建てる!
本当は頑丈なフェンスを建てたかったけど、敷地が大きい分とても高い。
僕は「防獣フェンス」を買って、自分で設置することにした。
それでも結構なお値段だった。
フェンスDIYは今度記事でも書くつもり。
DIYで防獣金網フェンス。塀にするかフェンスにするか費用も悩む。

当初しばらくは「防おばフェンス」とよんでいたフェンスは、ペラペラながらもよく働いてくれる。
フェンスを建ててからは、敷地内を他人が通過することも、知らない人が立っていることもなくなった。
ちゃんとした門を建てるまでは、まだ闖入者がいたけれども。
フェンスがあっても、立小便をしようとする人がいたりしたし、
フェンスにぴったりと顔をつけてこちらを覗いてくるおじさんがいたり、
フェンスと隣家の30cmくらいの隙間に入ってこっちを見ながらタバコを吸うおじさんがいたりしたけど。

まとめ

ここは、田舎である。
都会とは常識が異なる。
すれ違う人は、遠慮会釈なくじろじろガン見してくる。
立小便は当たり前。
人の敷地に入ったり通過したりするのも当たり前。
社交辞令は通用しない。
地域の住民は、路駐当たり前。
路上のタバコの吸い殻。
まだ生き残ってたのかってくらいのヤンキー。
無駄に大きな下痢のような音がするバイク。
ここは昭和だった。
都心部からは30年は遅れていると思っていたけど、もっとだった。
僕が十代のときでも、もっとまともだった気がする。

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