ねこちゃんたち

ありがたく光栄にぞんじます

  ありがたく光栄にぞんじます

我が家のカーストにおいてトップに君臨するねこちゃんたち。

大きい男の子は「王子さま」、小さい女の子姉妹は「お姫さまたち」と、しばしば称される。(もちろん人間は仕える立場である)「こぶ平たち」と呼称の差が歴然でごめんあそばせ。

呼び名がコロコロ変わる我が家において、大きい男の子の最新名は「Bちゃん」である。小さい女の子の、茶色ちゃんは「ラランちゃん」、白ちゃんはそのまま「お姫さま」。

Bちゃんとは、わんぱくな頃の格闘を含め13年一緒にいるので、私にとっては本当に子どもという感覚。ラランとお姫さまとは2年半になるが、この子たちに対しては孫に対するような、もう「何でも可愛い」な心境である。

Bちゃんは仕事先の撮影場所に偶然その日、捨てられていた。
私が到着した時にはすでに人が保護した後で、「捨てられていた」詳しい状況はわからない。本当は親猫がいたのではないか、と後になって何度か後ろめたい気持ちが過ぎってもいる。

小さなBちゃん
Bちゃんは横浜シティボーイだった

ただ、缶コーヒーと同じ280gしかなく、たった一匹でたいそうお腹を空かせている様子を目にして、迷わず挙手して連れ帰った。
クライアントは「おまえ運が良いなあ」と言って、撮影途中での検査のための病院行きを寛容にも許してくれた。

タクシーで近くのどうぶつ病院へ。
猫エイズも白血病も陰性。少し耳ダニがいるがお薬で対処できるとのこと。歯が生えているので生後ひと月は経っているはずだが、体重は生後1〜2週間程度の子猫並みで、誕生日の推測が難しいと言われる。
なので、出会ったその日からひと月前をお誕生日に制定した。

Bちゃんは時折お母さんに対して謀反を試みた。外科に罹るほど深手を負わされたことも一度や二度ではない。なので気持ちとしては愛と憎しみのボレロである。

お姫さまたちは、知り合いを通じて「子猫が生まれたけれど要らないからもらって欲しい」という話があり、「何匹でもどうぞ」と受け入れることに決めた。
ちょうどBちゃんが10歳を迎えて、今後のことも考えて多頭を検討し始めていたタイミングだった。

何度も産ませているらしいニュアンスに、「要らないなら今後避妊・去勢手術をすること」を条件にした。
ただ、生後3ヶ月までは情緒のためにも親元において欲しい、そして新幹線で陸路迎えに行くという希望は全く聞き入れられず、半ば強制的に、便名も航空会社も知らせずに勝手に飛行機に乗せて寄越した。
「今日の夕方ごろ羽田に着く」とだけ伝言を受け取る。

よく晴れた肌寒い日だった

向こうの采配で女の子が二頭。まだ生後ひと月半。
気圧の変化も上空の寒さもエンジンの轟音も、ちいさな体にはきついだろう。羽田のがらんと寂しい貨物受け取り場で、ANAとJALを交互に訪ねながら、空を見上げて涙が出る。11月のこの寒空を、手を繋いでがんばってやってくるのだと思うと、かわいそうでならなかった。

ようこそお姫さまたち

結局何度めかのANAの窓口で、17時過ぎ「それっぽい子がいます!」と係りの方が言ってくださり、こころからほっとした。親切にタクシーも呼んでくださる。

そうして美しい毛モノたちは家族になったのであった。

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